1. 2010.04.02

    今代司酒造や田中屋本店など新潟市の繁盛店

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    新潟の繁盛店に訳あって行きました。

    その訳とは朝一番で東京に飛行機で戻るつもりが、強風のため欠航・・・。打ち合わせは延期に。

    そして、東京に戻るには鶴岡→新潟→東京と教えていただき、新潟で降りても料金はかからないことを聞く。

    となると、早速新潟の繁盛店探し。あまり時間を取ることも出来なかったので3店舗。

    【今代司酒造http://www.imayotsukasa.com/】創業1767年だから、243年の歴史。

    そこの店主さんともがっちり話し込む。

    まずお店に入ったら試飲用のおちょこが40個きれいに並んでいる。

    また、お米が展示してあり、精米具合によって分けて見ることが出来る。

    そこは他社より値段は高いが、それに見合う価値を提供していた。

    まずオススメ商品を飲み比べることをススメテいただく。

    試飲しながら、商品の特徴や自社のこだわり・想いを聞く。

    まず私がそれほどお酒について詳しくないと知るや、吟醸と大吟醸と生酒と濁り酒の違いなどを説明していただく。

    全て匂いや味がちがう。精米具合の違いによって、ここまで違うか、と初めて発見した。

    お店はお客様に新しい知識や情報を与えて、驚きを提供することも必要である。

    精米によってお米のタンパクが取られる。

    ご飯にする時はタンパクが旨みになるが、お酒の時は雑味になってしまうのだという。

    ここでは65%、55%、35%のお酒があり、そのそれぞれの生酒も売られている。

    生酒は管理が出来ないから期間限定であり、自社か自社のネットショップでしか売ることは出来ない。

    管理が問屋や小売にいくとどうやって管理しているか分からないので、責任が持てないのだという。

    こだわりである。また、普通のお酒はアルコールを足しているが、今代司酒造はそれをしていない。

    またお酒を作る際のおコメはどの工程のものでも全て新潟産のものを使用しているという。

    これは新潟では今代司酒造だけなのだそうだ。

    このような方針には2005年からなったという。

    それまでは他のところと同じように、アルコールを足したり、違うところの米を足していたりしたのだという。

    ここも価値ポイントが増すところである。

    接客もしっかり客層を掴んでいる。

    私がお酒あまり飲まないと言うと、やわらかいお酒を出してくれるし、お酒好きな友達と飲む、と言うと、コレが良い。

    甘いのが好きな人にはコレが良い。などなど。どんな人とどのように飲むのか、に対しては全てに対応した接客と商品があった。

    おいしいとは言ってなかったが、おいしさはひしひしと伝わってきた。

    またギフト需要にはラベルに名入れが出来る。手書き風なのであるが、プリントらしい。


    お昼を食べに商店街へ。

    小料理屋みたいなところに入ると、ひらめ・かれいの刺身と焼き魚でふぐが出てきて800円。

    たまに商店街はコストパフォーマンスが優れたお店がポツンとあるから好きである。


    今回は行けなかったが、お酒の蔵を見学できるのである。さらに購買動機は増すだろう。

    その後、【金毘羅神社】へ。北前船の模型が28点納められていると聞き、行かねばならぬ、ということで。

    こんな時に観光客はいるわけもなく、神主様にマンツーマンで色々教えていただいた。

    船の模型だが、つくりは本物そのまま出来ている。

    本物の北前船が縮小されただけらしい。その頃は設計図もないので、大変貴重な資料である。

    設計図がないのにどうやって作っていたかというと、全て親方の頭の中に図面はあったのだという。

    昔の人は凄いのである。昔の船なので、くぎは1本も使用されていない。工夫が随所に見られる。

    また水と接する部分は水をはじく木を秋田や福島から取り寄せて使用している。

    北前船は日本を一周するらしく、新潟から出る時は米や酒や味噌などを運ぶため重い。

    ただ、京都や大阪で荷を降ろし、逆に詰め込むのは反物などの軽いものだったので、

    石で重量の調整をしていたということである。神社にもそれに使用された大きな石があった。

    川まで入り込むものは底が平たく、海の沖合いに停泊しているものは尖がっていた。

    細かい部分にも理由がある。工夫がある。モノが豊かではない時にあるものがこの2つだと思う。

    ただそもそもなぜ模型を作って納められているかというと、180隻出て無事帰ってくるのは2隻くらいだったので、

    模型を作って旅の無事を祈祷してから出航していたのだという。

    だから大きな船の中に小さな船はどこの船にも搭載されているのが見て取れた。これも工夫である。


    最後に【田中屋本店http://www.dangoya.com/】という笹だんごの一番店。

    笹だんご屋さんなのに、建物が大きい。ここも笹だんごの手作り教室がある。

    時間がなかったので、出来なかったが店員さんが手で作っているところはいつでも見られる。

    完璧手作業である。1日多いときで7000個も作るのである。ベテランさんは1分で3個完成されるらしい。神業。

    お店に入るとまず笹の匂いが強烈に出迎えてくれる。

    店員さんが手で作ったものを蒸す時に出る匂いらしい。

    無添加だという説明を受けたが、ここまで見える化していたら信じられる。

    これもどこのショップも真似できるところだと思う。

    こだわっている、カラダに良い、などよくある話だが、どうやって信じてもらうか。それは見せるしかない。しかも信用に足る方法で。

    賞味期限も4日と短い。なぜ新潟で笹だんごが栄えたかも教えてくれた。

    北前船で税や商いで米を運ぶときどうしてもくず米が出る。それで作ったものらしい。納得である。

    そんな誕生の歴史まで知ると、価値が高まるし、クチコミが広がる可能性も高まるし、お土産の際のエピソードにもなる。

    もちろん笹は天然の防腐剤である。また、朝はどらやきを焼いており、朝はどら焼きの匂いがすごかったのだという。

    時間ごとに様々な仕掛けがある。

    また絵葉書がお店に貼ってあるが、絵葉書のスクールの人の作品らしい。

    とても温かい絵葉書ばかりで、心和むものであった。新潟では3つしか回れなかったが、それぞれヒントがたくさん隠されていた。

    特にHPを見て来店させるPR力とお店に行って成約させる商品力と接客力。

    どこのショップ様も参考になるものだと考えられる。